転職エージェント経由の企業面接を辞退したい時の断り方

採用面接のイラスト

書類選考を通過した企業面接を辞退する行為」は、実は転職エージェントとの関係性を保つうえで、非常に重要な場面です。この対応の失敗から、転職エージェントから有益な情報や求人が途絶えたというケースがよくあります。

なぜ企業面接の辞退がこのような結果に繋がるのかというと、あなた・転職エージェント・クライアント(採用)企業・その他の転職希望者との複雑な関係性の中で問題が発生するためです。ここでは角のたたない上手な転職エージェントからの紹介案件の断り方と、採用企業と転職エージェント、求職者の関係についてご紹介します。

採用面接より前の段階で紹介された案件を断りたい場合については、こちらに詳しくまとめています。⇒転職エージェントからの紹介案件の上手な断り方(事例付)

転職エージェントにとって企業面接は信頼を保つ重要なウエイト

① 採用する企業と転職エージェント会社の関係

まず、転職エージェントから紹介を受けた面接を断ると、どんな影響を及ぼすのか簡単に見てみましょう。 面接を受ける企業の人事担当者は、部長や役員の日程を抑えなければなりません。部長や役員はスケジュールを調整し時間をつくります。

想像に難くないと思いますが、その面接がなくなれば人事担当者は部長や役員に責められます。 人事担当者は転職エージェントを責めます。そして、転職エージェントはユーザーへの信頼を失うことにつながります。

dodaやリクルートエージェントのような転職エージェントとクライアント企業は「書類選考通過後の選考面接辞退は不可」という人材紹介業界の不文律と、「転職エージェントが信頼できる人材を紹介する」という信頼関係を基盤にビジネスを行っています

この背景には、採用企業からすると、内定を出すことで年収の約30%という成功報酬(年収500万円の場合150万円の先行投資)を支払う可能性がある重みと、窓口となる人事は社内の現場部長や役員等の日程を押さえる労力を投じている等の事情から、面接辞退を非常に大きく問題視します。

このような業界なので、転職エージェントと企業の間では「最悪のケースは取引停止」という事態に発展することもあり、転職エージェント側の立場からもしても、面接辞退は最大限避けたい事態といえます。

② 採用する企業と転職希望する方々との関係性

仮にあなたの面接辞退を発端に転職エージェントとクライアント企業の関係性がこじれると、次に影響を受けるのは、そのクライアント企業を受ける他の転職希望者です。

クライアント(採用)企業からすると「面接辞退というルール違反を許す転職エージェントから同じように応募している他の応募者も、気軽に転職するような信頼できない人かもしれない。選考自体のストップも検討したい」となってしまうのです。

逆に、あなたが第一志望で絶対に入りたいと切望する企業において、他の応募者の面接辞退により、あなたの選考がストップしたり、面接の前段階から悪印象を持たれたり、ということがあるかもしれないのです。

③ 転職エージェントと求職者(あなた)の関係性

ここまでの内容からご想像できるかと思いますが、転職エージェントからすると、「クライアント企業からは厳しい対応をされる」と同時に、「他の転職希望者の方にも迷惑をかける」となると、是が非でもあなたの面接辞退は回避したいと考えます。 同時に、面接辞退という意向を伝えてきたあなたに対する転職エージェントの印象は、かなり低下しているでしょう。

もし「とりあえず、なんとなく気になったから応募して、書類選考を通過したら面接に行くかどうか、その時に考えよう」とか、「個人的な転職活動だから、選考を受けるかどうかなんて自分だけの問題でしょ」という考えを持っているならば改めて、慎重に応募企業の選定をして、通常のビジネスを進める感覚で転職活動をしていただいた方が良いでしょう。

面接辞退する際の良い対応の事例集とポイント

面接辞退をする際に、転職エージェントとの関係性を最大限維持でき、ダメージを最小化できる良い対応から具体的に見ていきましょう。

ここがポイント
  • ・メールだけではなく、電話でお詫びや辞退理由、背景を真摯に伝える。
  • いきなり断らない、転職エージェント側に相談を持ち掛ける。

電話でお詫びをして、理由をきちんと伝える

ビジネスとして捉えた場合、メールではなく直接転職エージェントに電話で断りを入れるのは大前提です。その際に、きちんと辞退の理由や背景を真摯に伝えましょう

例文1
「本当に申し訳ございません。実は、○○ということに対して懸念が拭えず、仮に面接に行ってもその次の選考に進む可能性はないと考えております。応募先企業やAさん(転職エージェント)にも迷惑をおかけしてしまうということは理解していますが、逆に選考に進んでもご迷惑の先延ばしにしかならないと思っています」

迷っているので相談したいという意志を見せる

仮に、内心では面接辞退を決めていたとしても、転職エージェントに相談をするスタンスを見せることが重要です。

例文2
「実は、他の応募している企業と比べて、○○という理由で志望度が低く、現職の業務も多忙な為、辞退させてもらおうかと思っています。 ただ、○○についての情報はもしかしたら自分の偏った認識かもしれないので、Aさん(転職エージェント)に相談し、企業側に情報を確認いただく、ということは可能でしょうか。その情報をいただいた上で、再度検討をしたいと思っております」


このような詳細は背景と相談を受けることができれば、転職エージェントは、クライアント企業の人事と一旦情報を共有でき、交渉の末にクライアント企業から「辞退でも止む無し」という了承を得るケースも多々あります

どうして転職エージェントに相談する形が良いのか?

裏側の事情として、クライアント企業の人事側も、詳細な背景説明があれば、しっかりと社内の面接官(例えば先述の営業部長)に説明ができるので、面目を保てるという事情があります。

また、あなたが懸念と感じている事柄を払拭できる情報をクライアント企業から収集し、あなたに再度提案をするというプロセスを経ることができれば大きな前進です。

結果的に辞退という事実は変わらなくても、クライアント企業側も転職エージェントがしっかり説明責任を果たしてくれたことを理解してくださるケースがほとんどです。そうなるとトラブルにならないので、転職エージェント側にも損失が発生しません。

要は、通常の皆さんがされている日常のビジネスと同様に、ビジネスの基本である報告・連絡・相談ができていればトラブルにならない。ということと言えます。 それがひいては転職エージェントとの良好な関係性を維持し、転職成功を手繰り寄せる可能性を高くすることに繋がっていくのです。

転職エージェントに嫌われるダメな断り方

面接辞退を機に関係性が冷え込み転職エージェントからの良質な情報提供や支援がなくなる悪い対応としては、以下のようなものがあります。

  • 連絡がつかなくなる

    (数日間音信不通となり、そのままフェードアウト)

  • メールのみで、辞退連絡をしてしまう。

    (メールだと真意が伝わらないことが多い、表面的な理由内容で送ってしまう)

     ダメなメール例文
     「申し訳ございません。業務の都合でどうしても面接日程の調整ができないので、辞退させて頂きたいと思います。どうかよろしくお願い致します。」


  • ・面接日程を、2、3週間と長期間引っ張って先延ばしした末に辞退する。

  • 身内の不幸を口実にする。

    「本日、身内に不幸があり面接に行けなくなった」というような、大半が面接当日のあり得ないタイミングでの辞退が多いのが実情です

  • ・あっけらかんと「興味がないので、面接に行きません」とキャンセルを伝えてしまう。
  • ・企業での面接当日など、ギリギリのタイミングでのドタキャン。

転職や転職活動のプロである転職エージェント側からすると、類似の内容での面接辞退対応をしているため、基本的には「またか。どうせ企業に興味がないだけなのに、本当の気持ちや事情を説明してくれたらいいのにな」と疑念が生じ、あなたに対する優先順位が一気に低下します。

百戦錬磨の転職エージェント側からすると、辞退を伝えづらいあなたの心情や背景は他の多くの他事例から把握でき、また言い訳もおおよそ似通っているため、言い訳をして逃げようとしてもプラスになることは皆無です。

これらの事例を見て、「ビジネスパーソンとして、まさか自分はこんな馬鹿げた対応をしないよ」と内心お笑いになった方もいらっしゃるのではないかと思います。 しかし、現実には30代・40代のビジネス経験豊富な方や、大手銀行・証券の投資銀行部門や大手コンサルファーム在籍の一般的に優秀とされる方々でも、このような対応をしてしまうことは往々にしてあり、どのような方でもご自身が同様の面接辞退をする場面に遭遇すると、思わずこういった雑な対応をしてしまいがちなのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 最後に断り方の5つポイントをまとめてみました。

ここがポイント
  • ・メールのみの連絡をしない
  • ・いきなり断らずに転職エージェントと相談する
  • ・辞退理由を詳細に伝える
  • ・辞退の際は、先送りせずに早めに連絡をする
  • ・身内の不幸など下手な嘘をつかない

求職者側は転職エージェントのサポートが無料なため、気軽に辞退する方も中にはおられますが、お互いの利益につながるからこそ、転職エージェントはあなたのために働いてくれています。

転職エージェント側は採用企業から報酬を得ているので、突然面接を辞退してしまうと企業に迷惑をかけてしまい、信用の損失などエージェントにとって大きなマイナスになります。

転職エージェントに対してはビジネスパートナーとして、失礼のない振る舞いをしましょう。そうすることで心強い仲間となり良好な関係を築けると思います。


転職エージェントを複数社利用するメリット

転職エージェントを利用して転職活動をする場合、最も重要なのは「どこの転職エージェントを利用するか?」です。

同時に複数の会社に登録することは、転職エージェントに失礼な事だと思っている方も多いようですが、理想的な転職を叶えるためには、より多くの情報を収集し、的確な取捨選択を行うことが大切です。

実際、当サイトで転職エージェントを利用した方にアンケート調査した結果、平均2~3社の人材紹介会社に登録をしていました。

多くの転職エージェントを利用することには『求人の幅が広がる』『業界知識が得られる』『自分に合ったエージェントを見つけられる』『多くの視点からアドバイスを受ける事ができる』といった様々なメリットがあります。

もちろん、ただ闇雲に複数登録をすれば良いというわけでもありません。各人材紹介会社のサポート体制や得意分野を把握して、自分に合うタイプを見つけて利用しましょう。

始めから人材紹介会社を1社に絞って自身に制限をつけるのではなく、複数の人材紹介会社を上手く利用して情報や活動 範囲を広げることが、転職成功への道です。

下記では転職エージェントを選択する際に目安となる、タイプや特徴をまとめています。
転職エージェントは複数社利用してリスクヘッジ!理由と選び方をまとめました